JCW技術資料 Q&A集

区分マンホールふたM-001
SHASE-S 209による荷重とT荷重の関係を教えて下さい。
SHASE-S 209における荷重の考え方は、次の通りです。
・規格で記載されている荷重は、安全荷重、たわみ試験荷重、破壊試験荷重です。
・安全荷重はマンホールふたに加わるタイヤ1本当たりの荷重より設定されており、これによって許容通過車両が区分されています。
・たわみ試験荷重と破壊試験荷重は、試験荷重です。
・たわみ試験荷重の4倍に相当する荷重が破壊試験荷重です。また、破壊試験荷重は安全荷重の4倍に相当する荷重でもあります。

T荷重については、鋼道路橋設計示方書において次のように解説されています。
・道路橋の活荷重のうち主なものは自動車であってT荷重は従来の自動車荷重と同じであり・・(2章・7条)
・T荷重はいうまでもなく自動車荷重であり・・・(2章・8条)

よって、SHASE-S 209でいう荷重は試験荷重であることに対し、T荷重はどの程度の総重量の車両が通行可能かの基準を示しているだけであって、ふたそのものの性能を明示するものではありません。
したがってこれらの荷重を対比することはできません。

区分マンホールふたM-002
防水性能について教えて下さい。
工業会会員会社が製造販売している鋳鉄製マンホールふたは、SHASE-S 209(鋳鉄製マンホールふた) 規格に適合しています。
SHASE-S 209(鋳鉄製マンホールふた)規格では、防水構造については定義されていますが、防水性能の規定はありません。

防水構造の定義は、次の通りです
水封形ふたと枠によりトラップを形成し、水封できる構造
簡易密閉形
(パッキン式)
パッキンを水封形のふた又は枠に装着し、ふたの自重によって圧着し、簡易密閉した構造
密閉形
(テーパ・パッキン式)
パッキンをふたのテーパ部に装着し、ふたの自重によって締め付けて、密閉にした構造
中ふた付密閉形
(テーパ・パッキン式)
密閉形(テーパ・パッキン式)のふたの中央部に、さらにふたを設けた構造で、軽微な作業は、中ふたを外すだけで行えるようにしたもの
密閉形
(ボルト・パッキン式)
ふたと枠の間にパッキンを装着し、ボルトの締付けにより、密閉にした構造
−SHASE-S 209-2009(社団法人空気調和・衛生工学会規格)より引用−

区分マンホールふたM-003
パッキン類の耐用年数や交換時期の目安。
鋳鉄製マンホールふたのパッキンには、ゴム製品などが使用されています。
パッキンは消耗品ですが、使用環境(気象条件、設置場所など)や動的影響(通行車両の種類、車両通行の頻度など)によってその寿命は大きく異なりますので、交換時期などの明確な設定はできません。
必要に応じて定期的に摩耗状況や有害な損傷の有無などを確認の上、早めの交換をして下さい。

区分マンホールふたM-004
取り扱いについて注意するところはありますか。
ホームページの「技術資料」において、「施工例及び施工上のご注意」「取扱説明書」を掲載しています。
「施工例及び施工上のご注意」では、一般的な施工要領と施工時の注意事項を紹介しております。
「取扱説明書」では、安全に使用していただくための事柄を説明しております。

区分マンホールふたM-005
錆や腐食について。
マンホールふたの用途によっては有害なガスにさらされたり、マンホール内外部の温度差による結露が生じるなど、設置環境によっては錆や腐食の進行を早める場合もあります。
錆が発生した場合は、清掃して早めの再塗装をして下さい。
ホームページの「技術資料」では「主要材料の耐食性について」を掲載していますのでご覧下さい。

区分マンホールふたM-006
ふたが摩耗した場合の取替え基準はありますか。
マンホールふたの表面は滑り止め模様が設けられていますが、この模様の摩耗が進行している場合は早めに取り替えをして下さい。
尚、特に取り替えの基準は設定しておりませんので実情に照らしてメンテナンスを行って下さい。

区分マンホールふたM-007
1500Kのふたが納まっています。5000Kのふたに取替えたいが可能ですか。
SHASE-S 209(鋳鉄製マンホールふた)規格では、1500Kと5000Kの形状及び寸法は同じですので、1500Kから5000Kのふたに取替えることは可能です。
ただし、5000Kから1500Kのふたに取替えることはしないで下さい。破損などの事故を招くおそれがあります。
また、経年による摩耗の進行などで、ふたと枠に段差が発生しているような場合もありますので、取替えに際しては既設の製造メーカーにお問い合せ下さい。
尚、500Kから1500K、及び5000Kの変更は寸法が異なるためできません。

区分マンホールふたM-008
錆びてきたので再塗装したい。推奨塗料を教えて下さい。
再塗装の際は、元の塗装に適した塗料などの選定が必要です。
メーカーによって塗装仕様が異なりますので、製造メーカーへお問合せ下さい。

区分マンホールふたM-009
SHASE-S製品のふたが割れたので取替えたいが違うメーカーの製品でも使えますか。
SHASE-S規格では主要部分の形状や寸法は規定していますが、構造や各部の詳細寸法は製造メーカーによって異なります。
したがって、ふたと枠が同一メーカーでないと、はめ合わせにおいて不具合が生じる場合があります。
安全にご使用いただくためにも、既設製品と同一メーカーの製品をお使い下さい。

区分マンホールふたM-010
マンホールとハンドホールの違いについて教えて下さい。
マンホール:水槽、下水管や地中ケーブルなどの点検や清掃などのために設ける桝。
ハンドホール:地中に埋設する電話線などの敷設や修理のために設ける桝。
直訳すれば手だけを入れて作業する孔となりますが、マンホールと比較して桝の深さが浅くなっています。

区分マンホールふたM-011
鋳鉄製マンホールふたの用途について教えて下さい。
鋳鉄製マンホールふたの用途については、SHASE-S 209(鋳鉄製マンホールふた)規格の解説にある「解説表1-鋳鉄製マンホールふたの種類別の主な用途」に記載されています。
また、同様の資料がホームページの「取扱説明書」にも掲載していますのでご覧下さい。

区分マンホールふたM-012
マンホールふたの荷重による選定方法について教えて下さい。
鋳鉄製マンホールふたは、ふたに加わる車両のタイヤ荷重によって、安全荷重の範囲内で選定します。
安全荷重における許容通過車両については、SHASE-S 209(鋳鉄製マンホールふた)規格の解説にある「解説表2-安全荷重における許容通過車両」に記載されています。
また、同様の資料がホームページの「取扱説明書」にも掲載していますのでご覧下さい。

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